私が動作研究仲間のリクエストに応え、サッカー部員のヘディングの映像を送りましたところ、以下のコメントが返信されて来ました。

まず、主動作(ヘディング)前の軸の崩しを見てください。キックする前の軸支持です。右足でキックするために左足で軸を形成します。キック動作により下肢の運動エネルギーを胸郭から首に伝えています。ヘディング時の運動支点が左股関節になっていることが見えると思います。もっと強いインパクトを生み出したいのであれば、キック前の予備動作時の時にもっと左軸左肩を高く上げる意識(ポールがないときは左肩甲骨の挙上)で左胸郭を大きく開くとその後の右足キック動作やヘディング動作が反射的に大きく取れると思います。
この子はイマイチではありません。身体感覚がつかめつつあると思います。おそらく骨格自体が硬いのではないでしょうか。胸郭や肩甲骨が硬いと、ポール保持による運動制限状況下では運動するのが難しくなります。毎日ゆる体操をするようにしてください。ストレッチではなく揺れる運動です。

私のイメージ上の仮説ですが、ヘディング自体が首支点の動作になりがちです。下肢の意識的な先行動作を取り入れることにより、体幹の反射を使えるようになるのだと思います。イメージはバレーのスパイク動作でジャンプ後の空中動作時に両膝を曲げることにより体幹部の反射を生み出すことと共通しています。世界のトップ選手は上半身を振りません。コントロールのために上肢特に胸郭の向きをボールの合わせています。

また、女子の動画を送った際には以下のコメントをしてくださいました。

福島先生、地面反力をうまく使うには、坂道を使うと感覚がつかみやすくなります。安全性を考慮してですが。下り坂でポール保持の様々な動作を使うと動きがつかめてくると思います。

強くボールを蹴ることとコントロール性の向上は相反する運動指標になります。両方を高めるにはまずは強くボールを蹴る(力積を向上させる)ことを中心にしてからコントロール性を向上させるためのインパクトの入り方の調整をされると早く効果が出てきます。ゴルフでいう届かなければ入らない [never up never in]です。女子は飛距離が足りません。
そのためにも全身の運動エネルギーをボールに伝えるトレーニングは必須です。バランスボールを蹴るなどスイングスピードよりもインパクト値を上げるトレーニングがキック精度を高めます。

自分の未熟さを感じるとともに、彼のような素晴らしい指導者と出会えたことに感謝せずにはいられません。



2018.02.06 的確な解説
棒を使ってのヘッドの練習やキックの練習の動画を、動作研究仲間の陸上専門の先生に見ていただいたところ「私見ですが、胸郭のねじれ制限による股関節や体幹軸の切り替え動作(ターンオーバー)をつかむための補助動作であるような気がします。片手で棒を保持してキックする動作は、軸足の意識を強くつかませるために有効かと思います」と的確な解説をしていただきました。

松山高校との試合で、今まで両足ジャンプばかりしていた本高サッカー部員でしたが、片足ジャンプで、しかも空中で体幹軸の切り替え動作を行い、強くボールを弾いていました。

棒を使ったキックトレーニングで1番キックが改善された部員は、利き足と逆の足で絶妙なクロスを蹴ってアシストを決めていました。

また思いついた練習を試してみたいと思います。